レーザー治療の黎明期ノーベル物理学賞を受賞したアインシュタインが1920年代半ばに行った「誘導放出の研究」という論文がレーザーの発想の原点です。1954年に、C・タウンズらが、電波の一種のマイクロ派を強力にまっすぐに送り出す装置である「水素メーザー」を開発しました。1960年にはアメリカのT.H.メイマンがルビーの結晶を使い、"光を強力に直線的に送り出すレーザー発振装置を開発しました。これが近代レーザーの発祥です。1960年代にはレオン・ゴールドマンが、世界初のルビーレーザーで子供の皮膚の血管腫の治療が行いました。彼はこの功績からレーザー治療の父と呼ばれています。
レーザー脱毛器の誕生
1983年、ハーバード大学皮膚科ウェルマン皮膚研究所のロックス・アンダソンとJ.A.パリッシュが「Selective Photothermolysis(選択的光熱融解理論)」という論文を著名な科学雑誌サイエンスにアクセプト(採用)させました。
この理論は、「光は、生体における特定の色素顆粒のみに光熱融解を起こさせる」というものでした。周囲組織には、なんら熱変化を与えることなく、茶色いメラニンや赤いヘモグロビンといった特定の色素細胞だけを選んで破壊するという理論です。この際、R.アンダソンのチームが、レーザーを使用して目の周りのアザの治療を行っていた時に、眉毛が生えてこなくなったという事実に着目しました。この事実から、「レーザーを使っての永久脱毛の可能性」を見出したとされています。
そして1996年、M.グロスマンによって、ルビーレーザーを用いた 世界初の脱毛機が誕生する運びとなったのです。このレーザーは、皮膚表皮にメラニンが少ない白人にのみ対応可能で、有色人種の皮膚の表面に含まれるメラニン色素に過剰反応してしまい光が毛根まで届かなかったり、表皮に火傷を負わせてしまうなどの結果を招きました。
有色人種への脱毛レーザーの応用
1996年、アメリカのフルモト(日系人)が、有色人種にも対応できる最初の
脱毛レーザー、サイノシュア社LPIR(ロングパレスアレキサンドライトレーザー)を開発しました。それがアレキサンドライトレーザーです。アレキサンドライトという人工宝石を用いて755nmという波長を出すレーザーでした。日本にも、その翌年である1997年に株式会社JMECにより輸入されました。
レーザー脱毛 普及に至るまでの経緯 発展期
その後、よりパルス幅(照射時間)が短いキャンデラ(Candela)社のアレキサンドライトレーザージェントルレーズ(GentleLASE)冷却ガスとともにレーザーが照射されるレーザーが日本に入ってきました。パルス幅が短いと、より細い毛にも対応可能となります。さらに、ルミナス社 (旧コヒレント社)より、半導体を使ったダイオードレーザーライトシェア(Light Sheer)が登場しました。ライトシュアは先端のハンドルピースに冷却装置がついているために火傷を起こしにくく、パルス幅も1秒当り、5〜30ミリと広くなっています。レーザーの性質上、不得意分野とされているうぶ毛の脱毛にも効果を発揮し、男性のヒゲの脱毛にも利用されています。このダイオードレーザーは、1999年4月に世界初の「永久減毛(Permanent Hair Reduction)」のFDA承認を受けました。
※ FDA(Food and Drug Administration of the United States Department of Health and Human Service)米国食品医薬品局=日本の厚生労働省
次に脱毛の世界に入ってきたレーザーはロングパルスヤグレーザー(波長1064nm)です。
肌の色の濃い部位や毛根の深い場所の脱毛に最適なレーザーです。メラニン色素への吸収率は波長が長いほど低いので、1064 nmのヤグレーザーは色素が多い肌には有利になるのです。日焼けした方の細く薄い毛を処理することもできます。メラニンに対する吸収率が高くないので、照射エネルギーをあげてもヤケドを起こす可能性はずっと減少するのです。最近アメリカでは、黒人やヒスパニッシュの脱毛に多く用いられています。
IPL(フォトフェイシャル)の登場
1999年 シモン=エックハウスが提唱した光治器intenced pulsed lightが米国ルミナス社で発売されました。レーザーのような単一波長ではなく、カメラのフラッシュに似た、有る程度の光のバンドを持った治療器です。照射直後からお化粧ができるというコンセプトの元、かさぶたを作らないノンアブレイティブ治療というあらたな概念を作り、日本でも一斉を風靡しました。
RFの登場
IPLのブームの後、2002年にはラジオ波(Radio frequency)という電流を使用した治療法がASLMS(米国レーザー学会アトランタAtlanta)で発表されました。光やレーザーを利用するのではなく、電流を使用する治療を提示したのです。この治療はたるみに代表される形態的老化に効果を発揮します。単極(モノポーラ)RFであるサーマクール(Thamage)と、双極RFであるオーロラ(現e-light)という、IPLとRF技術を会わせたイスラエルのシネロン社elosシステムが開発されました。